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長崎県美術館「愛の軌跡マリー・ローランサン展」パリの女性画家が描く甘美な世界

2017年04月24日

 

儚げで美しい、愛の世界・・・

「愛の軌跡 マリー・ローランサン展」長崎県美術館で好評開催中!

 

マリー・ローランサン 1923年(40歳)頃 マリー・ローランサン美術館蔵

 

マリー・ローランサン(1883-1956)は、20世紀のフランスで活躍した女性画家。グレーとパステルカラーで描く、女性的な柔らかいタッチが愛らしく、かつ詩的な叙情性も感じられます。

 

本展示会では、油彩を中心に、素描、版画、装飾の仕事など、約100点の作品を展示。彼女の初期から晩年までの軌跡を、4つの時代に分けてたどります。

 

三人の若い女 1953年頃 マリー・ローランサン美術館蔵

 

こちらは、晩年の作品のひとつです。マリー・ローランサンといえば、このように華やかな色彩で透明感のある絵が特徴です。

 

【1.初期から前衛の時代へ】

驚くことに、初期の作風は全く異なります。

画家のピカソや恋人となる詩人のアポリネールらとの出会いを通じ、初期の作風は前衛的なものでした。暗褐色で濃く、硬いタッチで描かれています。

 

それが、アポリネールと破局した1912年頃を境に、グレイとパステルカラーの独自の作風へと変化していきます。

 

音楽 1944年頃 マリー・ローランサン美術館蔵

 

【2.スペイン亡命期】

アポリネールと破局したマリー・ローランサンは、ドイツ人の男爵と結婚。新婚旅行中に第一次世界大戦が勃発し、スペインにて流浪の生活となります。そんな過酷な状況の現れか、この頃の作品は、女性達の顔に陰鬱な影があるのが印象的です。

 

【3.様式の確立】

第一次世界大戦後、マリー・ローランサンは肖像画家として、社交界で大成功を収めることになります。その頃には、貴婦人たちを描いた、華やかな色彩の甘美な作風へと変化しています。

 

【4.円熟期】

晩年の円熟期では、女性たちの目や鼻すじが、これまでより少しはっきりと描かれており、現代の少女漫画に通じる作風に思えました。

 

 

戦争や恋愛を経て、変化してゆくマリー・ローランサンの甘美で物憂げな世界。ピュアな少女性と、強さと儚さが同居した大人の女性をも感じさせる美しい作品たち。

 

6月18日まで長崎県美術館で開催中ですので、ぜひ足をお運びください!

 

愛の軌跡 マリー・ローランサン展

会期:2017年4月14日(金)~6月18日(日)

会場:長崎県美術館 企画展示室(長崎市出島町2-1)

最寄りバス停:長崎新地ターミナル

開館時間:10時00分~20時00分(最終入場19時30分)

休館日:5月8日(月)、5月22日(月)、6月12日(月)

 

★浜屋プレイガイドにて前売券発売中!★

前売券:一般1,000円 高校・大学・70歳以上700円 小学・中学500円

当日券:一般1,200円 高校・大学・70歳以上900円 小学・中学700円

※税込み、小学生未満無料

※15名以上の団体、障害者手帳保持者および介護者1名は前売り料金

※本展のチケットでコレクション展にも入場できます

※コレクション展のチケットをお持ちの方は差額料金