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長崎とアジサイ(下)~寺町界隈~
2020年06月30日

長崎とアジサイの3回目です。梅雨を象徴する花 アジサイは長崎のどんな場所に咲いていてもしっくりきますが、寺町界隈では、とりわけ風景に溶け込み、見応えがあるような気がしました。

長崎市寺町界隈。10を超える寺院が中島川と並行するように、ほぼ一列に建ち並んでいます。その多くが1600年代に建てられたと言われています。アジサイを訪ねて、寺町通りを上流方向へ歩いてみました。

まずは、晧台寺です。1608年に創建されました。寺の裏山には、写真の開祖で日本初の戦場カメラマン上野彦馬や、シーボルトの娘 楠本イネなど、長崎で活躍した著名人や要人たちの墓が多くあります。

広い庭は隅々まで手入れが行き届いていて、あちこちにさまざまな種類のアジサイが配置されていました。

雨に濡れたお堂や門、それに石段にアジサイが彩りを添え、風景をより美しく際立たせていました。

寺町通りから中島川へと下る坂道にもアジサイが満開となっていました。

通りを進むと、日本最古の唐寺、興福寺の山門に出会います。長崎で最も大きい山門は豪壮な総朱丹塗りです。朱の門に青いアジサイがとても似合っていました。

境内には珍しいヤマアジサイが何種類も大事に育てられていました。仏教と花は関わりが深いことから、寺院には花の名所が多いですね。興福寺もその一つと言えそうです。

こちらは三宝寺です。毎年、この時期、門へと上る石段の両脇にアジサイが見事に咲き、行き交う人の目を楽しませています。葉の緑もみずみずしく鮮やかで、雨の中、寺町界隈をアジサイを鑑賞しながら歩くのも一興かもしれません。

長崎市の花にも選定され、歴史的にもとても身近なアジサイ。一番の季節は終わってしまいましたが、来年もまた、市内のあちこちで、アジサイが見せる色の移ろいの不思議を楽しみたいものです。
※「寺町通り」最寄バス停→「市民会館」「親和銀行前」
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