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【バス停ぶらりナビ30】★奥深さが魅力~深堀地区(後編)★
2020年04月14日

バス停ぶらりナビ、今回は「深堀」の後編です。前編では、港町・深堀地区の海との関わりあれこれをご紹介しましたが、後編は歴史的な景観を形づくっている建造物にスポットをあてます。
深堀地区は長崎市で唯一、城下町の風情を残しているエリアです。そこで、武家屋敷跡と石塀からスタートしましょう。

武家屋敷跡は、江戸時代に深堀地区を支配した佐賀藩家老深堀鍋島家の家臣たちの屋敷跡です。このあたりが城下町の入口で、曲がりくねった鍵型の道りに家老の屋敷が続き、周辺に家臣たちの屋敷もあったそうです。
これは「樋口家表門及び石塀」。石塀は高さ 約1.8 m、長さは 約93m です。

こちらは「山崎氏石塀」で、高さ約1,9m、長さ約23mです。
深堀地区では合計5ヶ所が長崎市の景観重要建造物に指定されており、所有者と行政が景観の保全と継承に務めています。

前編で、ウミガメが住み着いた港としてご紹介した漁港からは、高台にある「深堀教会」を見上げることができます。
この教会は比較的新しく、1960年に佐賀藩深堀鍋島家の陣屋跡を買い取ってつくられた礼拝堂を基に、現在の教会堂が1976年に建てられました。

敷地内には、聖母と羊飼いの像が設置されています。これは、ポルトガルのファチマ村で、3人の牧童の前にあらわれた聖母がメッセージを与えているシーンを再現しているものです。

この寺院は曹洞宗(そうとうしゅう)の「菩提寺(ぼだいじ)」です。鎌倉時代以来、当地の地頭であった深堀氏、深堀氏の名跡を継いだ佐賀藩家老深堀鍋島家のお寺です。

境内には菩提樹があります。菩提樹は、お釈迦さまが木の下で座禅を組んで真理を悟ったことから、悟りの木=菩提樹と呼ばれるようになった聖木です。ここの菩提樹は台風の影響で一度枯れそうになりましたが、手当ての甲斐があって樹勢を回復しました。

菩提寺からすぐの所に明の貿易商人として活躍した林氏五官呉公の墓「五官の墓」があります。五官はアジア各国を往来して貿易で財を成し、1637年に亡くなっています。

そして、武家屋敷跡近くにあるのが「深堀神社」です。鳥居は1837年、深掘地区で農作物が大豊作だった時に建てられたもので、柱には深堀創設の由来が刻まれています。

城下町の佇まいを残す深堀地区は、さまざまな歴史と建築物が凝縮されて残る港町でした。その奥深さに改めて驚かされた取材でした。
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