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ビワ農家が作る千々の「桃」ことしも大好評!

2020年07月24日

  今年もたわわに美味しそうな実がなりました。直径15センチはある立派な「日川白鳳」です。栽培しているのは、長崎市千々(ちぢ)の「森果樹園」です。

 「森果樹園」のハウスは橘湾を望む長崎半島の高台にあります。100年以上も地元特産のビワを栽培し続けてきた農家は、桃もビワと同じように土作り、栽培方法にこだわって育てています。取組み始めて20年になります。

 「日川白鳳」は早生品種の代表格。ジューシーで酸味が少なく糖度が高いのが特徴です。今年の収穫は6月10日から始まりました。

 ハウスの桃の樹は収穫し易いように、高さ約170~180センチになるよう調整されています。一本の樹には数百個もの実が成ります。森果樹園ではある程度、熟させた上で丁寧に収穫しています。

  森果樹園は現在、四代目の純幸さんが中心ですが、桃に取組み始めたのは父の常幸さん(画像)です。ビワは寒さに弱く、天候によって年毎の収量に差が出るため、比較的安定して収量が見込める桃の栽培に乗り出しました。試行錯誤しながら、純幸さんとともに「知る人ぞ知る」と評判の美味しい桃に育て上げました。

 こちらは、同じハウスの3ヶ月前の様子です。濃いピンクの桃の花が咲き乱れ、甘い香りを充満させていました。この中で、桃の花に囲まれていると、コロナ禍を忘れそれだけで幸せな気分になれました。まさに「桃源郷」。

 可憐な花々を見ていると、これらが美味しい桃になるのは当然?のような気がしますが、より美味しい実に育てるためには、余分な花と蕾を摘む作業が必要です。実をつける果物の宿命とは言え、何だか惜しい気がしますね。

 さて、「知る人ぞ知る」森果樹園の桃。毎年、楽しみにしているファンが全国にいて、シーズンともなると電話注文が殺到します。また、ハウスに隣接した販売所では、その日の朝に収穫した桃を販売していますが、ピーク時には午前中に売り切れる日もありました。

 ことしの桃は例年通りの出来で、甘くて品質がとても良かったものの、収穫数が少なかったことから、販売所での販売もわずか一週間で終わってしまいました。残念な思いで帰られた方も多かったようです。

 「森果樹園」の桃は年々増え続けるファンの数がその美味しさを裏付けています。研究熱心なビワ農家が作る千々の桃。来年も全国のファンを喜ばせてくれるに違いありません。

※「森果樹園」~最寄バス停:「千々」