バス停ぶらりナビの22回目は「伊王島ターミナル」です。

　伊王島は長崎市の沖合い10キロに位置し、かつては炭鉱の島として栄えていました。8年前に伊王島大橋（橋長876ｍ）が供用を開始し、長崎市香焼町と結ばれました。

「伊王島ターミナル」へは「中央橋（高野屋前）」からバスで約50分です。

　島内には観光スポットがたくさんありますが、今回は日本で初めての鉄造六角形の洋式灯台、「伊王島灯台」を目指すことにします。この灯台は高倉健さん最後の主演映画「あなたへ」（2012年公開）で物語の鍵となるシーンが撮影された場所でもあります。 

　「伊王島灯台」へは徒歩で約30分。日中もかなりしのぎやすくなり、ウォーキングに適した季節になってきました。さあ、頑張って歩いて行ってみましょう！

　長崎市と合併する前の旧伊王島町は1972年に炭鉱閉山後、急激に人口が減少しましたが、その後はリゾート地としての開発が行われてきました。昨年には「やすらぎ伊王島」を大幅にリニューアルした「アイランドナガサキ」がオープンしました。

「伊王島ターミナル」からすぐのところには「アイランドナガサキ」のガーデンエリアが見えます。

　そのガーデンエリアの前には、伊王島小中学校があります。今年4月に小学校と中学校が一緒になり、校舎や体育館、運動場などを共同で使用しています。

　道なりに勾配のある坂をしばらく上っていくと、眼下には伊王島海水浴場（＝コスタ・デル・ソル）が見渡せます。このビーチは砂浜が約340ｍもあり、シーズンには多くの海水浴客で賑わいます。「伊王島ターミナル」から海水浴場までは、徒歩約20分の距離です。

　そして、連続するカーブを曲がる途中、ふと見上げると何と「十月桜」が！潮風にも負けず、淡いピンクの花をつけていました。つぼみも多くしばらく楽しめそうです。

　桜で癒されて、さあ、もうひと頑張り！

　ようやく灯台入口に着きました。伊王島では、ウォーキングや自転車で巡る際、道を間違えないように、地図や案内板が至る所に設置してあります。

　ここは「夕陽ケ丘展望所」です。灯台まではあと少しです。ここまでの道のりの中では、一番の高台にあります。その名の通り、夕陽がとても美しく見えるスポットで、水平線に沈む夕陽を見ることもできるそうです。海から吹きぬけてくる潮風を心地よく感じながら、大パノラマを楽しみましょう。

　さて、「夕陽ケ丘展望所」から目的地の「伊王島灯台」まではなだらかな坂道を下ります。

　ようやく到着した「伊王島灯台」は日本で初めての鉄造六角形の洋式灯台で、1871年に本点灯しました。原爆で被害を受け改築、その後、創建当時のように復元されました。

ドーム型の天井は140年以上経った今も使われています。「伊王島灯台」はさまざまな歴史が刻まれた灯台でした。

　「伊王島灯台」から望む絶景には本当に心が開放されました。途中、少々きつい勾配もありましたが、灯台までの道のりには数々のスポットがあり、飽きることなく歩くことができました。

　自然を体感できる伊王島。灯台へのルートだけでなく、まだまだ見どころ満載のルートがあります。自転車で巡ることもできるルートもあります。

　晩秋の一日、お出かけになってはいかがでしょうか。