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お客様の安全を第一に!【観覧車】で非常時の救助訓練を実施

2019年10月03日

 10月1日で開業11周年を迎える長崎市茂里町の「みらい長崎ココウォーク」。ココウォークのシンボルと言えば観覧車です。地上70mの高さから、女神大橋や長崎港、稲佐山まで市街地を一望できるスポットとして人気です。

 

 さて、その観覧車で9月25日、非常時の救助訓練が実施されました。お客様の安全を第一に取り組まれている訓練の様子を取材しました。

 今回の訓練は観覧車の電源(非常電源も)が喪失し、復帰不可能との想定で行われ、ゴンドラの中に取り残されたお客様をいかに安全に救助するか、その手順を確認するものです。

 参加したのは観覧車を管理している長崎バス建物総合管理(株)の社員ら11人です。

 

 

 訓練の内容をご紹介する前に、観覧車がどのようにして回っているかを簡単にご説明します。観覧車は直径が約45mで、約11分で一周します。                                                    上下2つ1組の大きなタイヤ4組を8基のモーターで動かし、そのタイヤの間を観覧車のフレームが通ることでゆっくりと回る仕組みとなっているんです。

 

 

 さて、救助訓練に戻ります。訓練はオープン前の午前8時から始まりました。想定は自動運転が不能な状態なので、人力でゴンドラをウッドデッキまで戻し、お客様を救助するということになります。

 そこで、必要な機材はチルホール、ベルト、牽引用ワイヤーなどです。

 人力でゴンドラを引っ張っていくため、必要箇所にしっかりとベルトやワイヤーを取り付ける必要があります。参加者らはウッドデッキの両端に設置してある固定用アンカーにベルトを取りつけた上で、次にゴンドラのシャフトにもベルトを巻きつけたり、チリホールにワイヤーを通すなどします。

 固定用アンカーにベルトとワイヤーを引っ張るためのチルホールがしっかりはまっているのがわかりますね。

  すべての準備が整ったかどうかを最終確認します。

 いよいよ2人一組となって、交代でゴンドラを引いていきます。これまでの訓練では、営業運転と同じ時計周りに引いていましたが、今回は反時計周りで実施しました。

 運転が停止した時に、どのゴンドラにお客様が乗っているかわからないので、位置によってどちらに引くかを判断します。

 

 引き手側だけでなく、反対側にワイヤーの弛みを調整するため送り手が必要になります。両者が号令に合わせて、力を合わせてゴンドラを動かしていきます。

 わずかずつながらゴンドラの動きにつられてフレームが回り、数分後、目標とするゴンドラがウッドデッキに着きました。

 お客様がゴンドラの外に無事に出られ、さらにほかのゴンドラに取り残された方がいないかを確認したら救助訓練は完了です。

 開業してから11年。観覧車は年間13万人のお客様に利用していただいています。幸い、まだ観覧車が停止し、救助活動をしたことは一度もないそうです。ですが、常に備えが肝心で、長崎バス建物総合管理では今後も訓練を続けていくことにしています。