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バス停ぶらりナビ18【千々】「森果樹園」~甘くてジューシーな桃~

2019年06月27日

 長崎バスのバス停のこと、バス停の近くの素敵なスポットをご紹介する、シリーズ「バス停ぶらりナビ」。18回目は、長崎市のバス停「千々(ちぢ)」です。びわの産地として知られる「千々」。だだ、今回お訪ねするのは「桃園」です。桃は中国原産で、2500年も前から栽培されていたそうです。中国では、邪気を祓い不老長寿を与える果物として珍重されてきました。千々に知る人ぞ知る美味しい桃を栽培している果樹園があると聞き、収穫の最中に取材に伺いました。

 千々に向かうために、「中央橋(高野屋前)」で「千々」行きに乗車。愛宕→田上→茂木→宮摺を経由します。茂木までも国道の坂道を上ったり、曲がりくねった道を下ったりですが、茂木から千々までは、海岸線を軽快に走ったかと思うと、バスが一台やっと通れるような細い道やくねくねと曲がった道を進みます。バスは対向車に神経を使いながらも、スムーズに走行します。さすがプロの運転手さんです。

  そして、乗車してから約45分。終点の「千々」に到着しました。バス停周辺にも、また、見上げた四方の斜面にも、至る所にびわ畑が広がります。びわの産地ならではの風景です。

 さて、バス停から目的の「森果樹園」までは道なりに徒歩約20分~30分。何棟ものビニールハウスの向こうには、橘湾が広がります。果樹園は日当たり抜群の場所にありました。 

 「森果樹園」は100年以上続く、代々のびわ農家です。「桃」の栽培は約20年前から始めました。路地もののびわは天候や寒さに左右されやすいため、代替果物として「桃」に取り組み始めたそうです。

 採用したのは、早生品種の「日川白鳳(ひかわはくほう)」です。日川白鳳は濃い赤色で見た目が美しく、酸味はやや少なく糖度が高め。乳白色の果肉はとてもジューシーで、口当たりはなめらかな美味しい桃です。

 「森果樹園」では、土作り、栽培方法にこだわって桃を育てています。の木は高さ約170cm~180cm。ハウスの中に等間隔で整然と植えられています。一本の木には数百個もの桃がなるそうです。ハウスの中には、甘い香りが満ち溢れ、旬の桃が鈴なりになっている光景は圧巻です。 

 今年は6月9日から収穫を始めました。数人で一個ずつ丁寧に手際よく切り取っていきます。桃は男性がちょうど手を伸ばして収穫できる高さになっています。今シーズンは、味、収量ともに例年並みで、申し分なしの出来とのことでした。

 収穫は2週間続きましたが、その間、桃は果樹園の前で特別に販売されていました。知る人ぞ知る「桃」なので、季節になると「今年の収穫はいつから?」問い合わせが相次ぎ、販売が始まると、待ちかねたファンが次々と訪れては買い求めていくそうです。

 一方で、全国からの電話注文にも対応していて、森果樹園では、びわが終わったら、休む間もなく桃の収穫と販売に追われるそうです。どちらも旬の期間が短くデリケートな果物なだけに気の抜けない日々が続きます。 

 「森果樹園」は現在、四代目が中心ですが、三代目も健在で、家族ぐるみで、美味しいびわと桃の栽培と販売に取り組んでいます。

 春には、濃いピンクの桃の花を見るためだけに訪れるファンもいるそうです。農園の中は満開の桃、ハウスを出れば、淡い青の春の海を眺望できる、素晴らしい景色が楽しめそうですね。 

 地元の特産品「びわ」を100年以上も家族で守り続けてきた「森果樹園」。その技術と思いが活かされた「日川白鳳」。愛情たっぷりの桃が美味しいのは当たり前なのかもしれません。 

 

それでは、また次回の「バス停ぶらりナビ」をお楽しみに。