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【kataru netリポート】積雪の一日を走る。長崎バス
2018年02月19日

先月1月下旬、長崎市は、約2年ぶりの豪雪に見舞われました。
長崎市中心部は、山頂から一面銀世界となり、あまり見慣れない風景に、そこらかしこに雪だるまが作られていたり、子どもたちの楽しそうな声が響いていたりしていました。反して、交通網は、慣れないチェーン規制が発令されたり、公共機関が遅延するなど、多大な影響が出ることとなりました。
さて、長崎バスにおきましても、遅延や区間運休などが発生し、お客様に影響があったかと思います。安全を第一に、可能な限り運行を行いましたが、ご迷惑をおかけしたところもありました。たいへん申し訳ございません。お客様の安全を最優先に運行を判断させていただいておりますので、その点ご理解いただけると幸いです。
今回、kataru_netでは、雪の日の長崎バスに密着し、運行に至るまで、どのようなことをしているのかをリサーチしてきましたので、もしよろしければご一読ください。

1月25日、昼頃からパラパラと雪が舞い落ちてきました。この日は、深夜から積雪が予想され、本社自動車部、各営業所においては、動きがあわただしくなりました。夕刻頃から、翌朝の路面状況確認に関する指示が発令されたのです。
長崎市各所に住居がある担当社員は、路線ごとに路面の状況確認をしなければなりません。朝4:00頃から、山間部を優先し、自家用車で確認を行います。実際に運転をしてみて、そのまま走行可能か、チェーンを付けなければ走行できないか、装着しても危険かどうかを判断します。もちろん、実際に動くバスでは、制動距離なども大きく違うため、自家用車が多少動けるからといって、安易に運行可能とは判断できません。少しでもお客様の安全を守れないと感じれば、やむなく運休の判断を行うこととなります。

こちらは長崎市北部高台にある団地内交差点です。このように自家用車で前後したり、強目のブレーキをかけたりして、滑り具合を確認しているところです。確認といえども、周囲はまだ暗く、寒く、危険とは隣り合わせ。慎重に調査を行っています。
路面状況確認後、各営業所に前日から当直勤務する運行管理者に、状況の報告および、チェーン装着の指示や、待機するかなどを連絡します。
規模が大きな営業所では、各運転者に指示するだけでも一苦労です。単純に人数が多いだけでなく、営業所以外の駐在地運転者への個別連絡も行わなければなりません。これと同時に、朝5:30ころから、多くのお客様からの問い合わせが増えてきますので、こちらにも対応しなければなりません。ホームページでも確認いただけるようにしていますが、ウェブサイトが混雑していたりすることや、年配のお客様が多いこともあり、どうしてもお電話での対応が集中してしまいます。

各運転者においても、チェーン装着など、苦労が絶えません。一昔前より、チェーンは軽量化され、装着しやすくなっているとはいえ、なにせ大型バスのタイヤは直径約1メートルと巨大です。ここにつけるチェーンは、長さ約3メートルにもなります。
左右後輪の外側のタイヤに装着するのですが、バスのトランクに常備している木製の踏み台に車輪を乗せてから、安全に配慮しつつ装着します。

巨大なタイヤに裏表が間違いないか、ズレがないかを確認しながらタイヤに覆いかぶさって巻きつけます。順序を誤ると、タイヤを損傷したり、重大事故につながるおそれがあるので、慎重に確実に行います。
見た目、チェーンを付けていないように見えても、スタッドレスタイヤに付け替えている車両もあります。ただし、一般タイヤにくらべ高価であること、別途約600台分(6本/台☓約600台 = 3600本!)の保管場所確保も困難なため、全車両分用意することもなかなか難しいようです。

ここで、一般のお客様に気をつけていただきたいのは、バスが走っているから大丈夫だろうとたかをくくってノーマルタイヤで走行してしまうことです。坂道などで走行不能になってしまい、停車し立ち往生していることもよくあります。長崎の細い道をふさいでしまうと、バスのみならず、後続の車両がストップしてしまい、こちらも大幅な運行遅延の要因となってしまっています。
そのため、上記の長崎バス各所担当者は、路線確認中に、このように立ち往生している一般車を発見すると、運行に支障がないように、また追突事故など二次災害が起こらないように救出を行ったりもしています。
(※積雪時にノーマルタイヤで走行する行為は、車両が立ち往生して、深刻な交通渋滞や通行止めを引き起こすだけではなく、道路交通法の違反となりますので十分ご注意ください)

それから、積雪のある道路においては、融雪のため、塩化カルシウムという薬剤を撒いていきます。むやみに撒くわけではなく、その後の天候状況や道路状況を想定しながら、運行上、ここは早く改善したいという箇所に適宜判断して頒布していきます。
たとえば、こちらあぐりの丘高原ホテル付近ですが、ここまで雪が深いと融雪剤は撒くことができません。雪が溶けたとしても、かえって凍結し、逆効果となることが多いからです。また、断続的に降雪している時は、融雪後に積雪することもありますので、天候をよく調査し判断しています。

運行の再開について、運休と判断された箇所も、随時運行を再開していくことになりますが、山間部は概ね厳しい状況が続くことが多いので、例えば、滑石線(始発上床〜終点中央橋)でいえば、滑石団地内は経由せず、寺川内から平地をまっすぐ運行し、中央橋での折り返し運行でスタートしたり等、平地からの運行を徐々にスタートしていきます。ただ、チェーンを装着しての走行時は、40キロまでの規制がありますので、通常の時刻通りの運行も難しいところです。また、できるだけ早く通常運行させるよう、写真のように人力で解氷作業を行なうこともあります。
また、高速線及び空港線エアポートライナーにおいては、スタッドレスタイヤを装着して運行しています。有料道路自体がスノータイヤ規制でチェーン走行が禁止されているところもありますので、冬場はスタッドレスタイヤが欠かせません。

ここまでのように、積雪時は、長崎バス全従業員で対応し、すみやかに正常な運行状況となるよう尽力していますが、どうしても様々な影響のため、ご迷惑をおかけしてしまうことがあります。これからも、たびたび雪による影響で運休・遅延などが発生することもあると思います。
まだまだ対応に至らないこともありますが、都度経験を積みながら改善を重ねてまいりますので、お客様におかれましては、どうかご理解たまわれると幸いです。
以上、kataru net よりお伝えしました。
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