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バス停ぶらりナビ14【蚊焼入口】江戸時代から続く伝統工芸・山口鍛冶工場

2017年10月18日

 

こんにちは!長崎バスグループの川上です。

長崎バスのバス停のこと、バス停の近くの素敵なスポットをご紹介する、シリーズ「バス停ぶらりナビ」。

 

第14回目は、バス停“蚊焼入口(かやきいりぐち)”

蚊焼は、市中心部からバスで約30分ほどの漁業や刃物作りが盛んな地区です。夏には、近くの岳路(たけろ)海水浴場は多くの海水浴客で賑わいます。また、お盆の時期にペーロン大会が開催されます。

 

 

本日ご紹介する「山口鍛冶工場(やまぐちかじこうじょう」は、バス停から野母崎方面へ歩いてすぐ右手にあります。建物の壁面には、大きく「かやき庖丁(ほうちょう)」の文字、目立つので分かりやすいですね!

 

 

こちらが、山口鍛冶工場の2代目、山口良仁さんと息子さんの大仁さん。

手に持っているのは、こちらの工場で製造された「包丁」と「鎌」です!

 

山口さんのお話では、蚊焼地区は刃物の焼入れに適した水と土に恵まれていて、そこに江戸時代の長崎開港以降、南蛮刀作りの技法も取り入れたことで、”切れ味””粘り”を持った優れた刃物作れるようになったそうです!

これが今も「蚊焼鍛冶」の呼び名で伝わる、刃物作りの始まりだそうです!

 

ちなみに、刃物をお祝いに贈ることは『災いを断ち切り、幸運を切り開くもの』と考えられ、昔から喜ばれているそうです!

 

ここからは、包丁作りの一部をご覧ください!

 

 

包丁作りの過程順に並べてみました。

一番左は、「利器材(りきざい)」と言われる包丁の原型となる物です。これを高温で熱して叩くと鉄が鍛えられます。これを繰り返しながら、薄く形を整えていきます。

 

実際に鉄を叩く「鍛造(たんぞう)」の様子を見ていきましょう!

 

 

まずは、「利器材」を熔炉の中に入れて、400度~500度に熱します!

熔炉の中は、なんと900度~1,000度にまで達するそうです!!

私も近くで見ながら、汗がダラダラとしたたり落ちていました・・・(υ´Д`)アツー

 

十分に熱したら、次は「打ち」の作業です。 

 

 

見てください!オレンジ色になるほど高温に熱しられています!

 

ところで、皆さんは鍛冶屋さんと聞くと、金槌で鉄を「カーン、カーン」と叩くイメージがありませんか?

それが今では、機械を使って叩く作業ができるそうです!操作は、ミシンのように足元のペダルを踏み込むことで、速さを調整します。これだと、1人で効率よく「打ち」の工程ができるのです!

やはりそれでも、角度やタイミングなどは熟練した「匠の技」が必要となるそうです。

 

 

こちらは、「仕上げ砥ぎ」の様子。あらかじめ、粗く砥いでおいた刃を、さらに細かく砥ぎます。この繊細な作業には、全神経を指先に集中しなくてはなりません!

不器用な私には、とんでもなく難しい作業に見えました。。。(>_<)

 

 

丁寧な製作工程を経て、ようやくの完成です!

どうですか?!職人技によって作られた包丁は綺麗ですね~。もちろん、切れ味も抜群です!用途が異なる包丁を、約50種類製造されているそうですが、中でも一般的によく使用される包丁を何点かご紹介します!

 

左から

①薄出刃包丁(小)    2,400円

②菜切包丁 (大)    2,800円

③打ち刺身包丁(黒)   6,000円

④ステン菜切包丁(大)  5,500円

⑤ステンハイテク包丁   11,000円

※すべて税込

 

 

他には、くわや鎌などの農具も製造しています。

購入は、工場横のお店か下記の金物店・JAなどで購入可能です。詳しくは、お電話でお問い合わせください。

■内野金物 095-844-4734(〒852-8113 長崎市上野町9-20)

■マツオカナモノ 095-822-0641(〒850-0835 長崎市桜木町3-31)

■早田金物商会 095-839-5655(〒851-0133 長崎市矢上町1-11)

 

 

変り種をもう一つ!世界遺産である軍艦島(端島)の形をしたペーパーナイフも販売中です!

 

これは、渋いっ!渋すぎます!!

 

これを作った背景には、蚊焼から軍艦島(端島)まで距離にして約7kmと、肉眼でも見える近さであることの他に、蚊焼との間に歴史的な関係があったからだそうです。

明治時代、軍艦島(端島)で採炭事業が本格化し、そこで採れた石炭は蚊焼の刃物作りに必要な火力のもとに。そして、採炭作業に使われる道具などは、「蚊焼鍛冶」の製品が重宝されていたのです!

 

■長崎ナイフ「軍艦島」 2,754円(税込)

<購入可能店>

長崎県美術館・出島内売店・グラバー園・長崎駅前交通会館・アレガ軍艦島・ふるさと納税の謝礼品

 

今回、蚊焼で刃物作りが盛んになった理由や軍艦島(端島)との密接な関係を、初めて知ることができました!

包丁は毎日使う物なので、作った人を知っていると、愛着が湧きそうですね♪私も是非使ってみようと思います!気になった方は、是非チェックしてみてください!

では、次回もお楽しみに~♪

 

山口鍛冶工場

住所:長崎市蚊焼街2194

TEL:095-892-1899

営業時間:8:00~17:00

定休日:日曜・年末・年始