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【バス停ぶらりナビ28】★桃の花が満開~千々~★

2020年03月25日

 今回のバス停ぶらりナビは再び「千々」です。去年、カタルネットでご紹介した桃園で、花が満開になったと伺い、お訪ねしました。「中央橋(高野屋前)」から「千々」行きに乗り、終点まで約45分です。

 「千々」のバス停から県道を約20分~30分歩くと、橘湾をのぞむ「森果樹園」のビニールハウスに到着しました。

 ハウスの中に一歩入ってみると、約150本の桃が満開に!その見事さと鮮やかさに圧倒されてしまいました。

 今年は暖冬の影響で、開花は例年より少し遅かったものの、3月上旬から次々に開花したそうです。 

 森純幸さんは100年以上続くびわ農家の四代目です。露地もののびわは天候や寒さに影響を受けやすいため、父親と一緒に代替果物として「桃」に取り組み始めました。約20年前のことです。ここでは、授粉は人手をかけず、「ミツバチと風にお任せてしています。」

 桃の品種は「日川白鳳(ひかわはくほう)」です。酸味が少なく糖度が高く、乳白色の果肉はとてもジューシー。早生品種の中でも人気の桃です。それぞれの桃の木には、枝の高さを調整するために針金で棚が作られています。収穫などの作業がし易いよう、ちょうど男性の手が届く高さになっているのです。今は果実を大きく、味を良くするために、蕾や花を摘む作業をしています。

 

 咲き始めは淡いピンクだった桃の花。次第に深みが増していきます。花のつき具合で、その年の果実の出来も予測できるそうです。今年は「木になる個数が例年よりちょっと少なめですが、その分、大きい味の良いものが出来そうです。」と森さんは期待しています。

 毎年、この季節になると県の内外から桃の花を見物に来るファンが大勢います。県道に面した直売所にも、案内板を出すそうですが、今年は新型コロナウイルスの問題があって案内板は出しませんでした。それでも、訪れたファンには花を楽しんでもらっていました。今年は10日ほどで散ってしまったそうです。

 びわの産地、千々。海に面して拓けた斜面には袋掛けが終わったびわの木がびっしり栽培されています。千々では、65軒の農家がびわに取り組んでいます。長崎を代表する特産品、びわ。100年以上も天候と戦いながら、栽培を受け継いできました。

 森さんの果樹園の主力商品ももちろんびわです。桃のハウスの近くにもびわのハウスがありました。品種は大玉で糖度の高い「なつたより」。1月から袋掛けを始め、2月末までに全部を掛け終えたそうです。例年、収穫は5月上旬から下旬にかけてです。

 びわには普通、紙製の袋をかけますが、ハウスの中には透明のビニールがかけられているものがありました。森さんが試験的に始めました。透明だと、びわの成長具合が袋を破かなくても確認できる便利さがある一方、紫外線の影響を受け黒いシミが出来たりします。「なかなか難しいですが、試験栽培は続けていくつもりです。」

 また、森さんは最近、いちぢくやアボガドの栽培にも取り組み始めました。消費者のニーズの多様化に対応するため、いろんな品種の栽培に挑戦を続けています。

 

 桃の収穫は6月中旬から2週間程度の予定です。1本の木に約200~300個もの桃がなります。美しい花から美味しい果実へ。収穫が始まるのが、今からとても楽しみですね。